日本で教育を受けていると、台湾の歴史についてはそこまで習わず、知らないこともたくさんあると思います。特に近代史については、あまり知らない人が多いと思います。
そんな時におすすめなのが、この台湾バーの動画台湾史です。 かわいらしいキャラクターのアニメで、堅苦しくなく、中立的な立場で、要点を伝えてくれるのでよいです。一部ですが、この動画の雰囲気を紹介します。
第0話『台湾売却?後藤氏の考え』
https://www.youtube.com/watch?v=eHTV_Xdrkp8
日本統治時代の初期、戦争より疫病で多くの人が死に、かつ、お金もかかるため、日本で、台湾をフランスに売ってしまおうかという声もあった。
もしそうなっていたら、今の台湾の朝ごはんは「碰啾
碰啾 Pèng jiū pèng jiū (ボンジュールボンジュール)」なクロワッサンになっていたかも。といったコメントが入り、ちょっと和みます。
その後、台湾を売らないことに決まり、後藤新平氏が台湾の問題解決にどのように取り組んだかの紹介があります。
そして、この動画の最後はバーらしく、「話してたらのどが渇いたから、日本の酒でものもうかな~」で終わります。※このお酒の種類は各回で異なります。
第1話『鬼界の島が現代に!』
コスパの悪い土地だった台湾。後藤新平氏は、台湾統治にあたり台湾人の生活習慣などを観察したうえで、適切な対策を講じていきました。治安が悪い問題に対しては、警察を導入。疫病が蔓延しないように、市民への衛生教育(手洗いなど)をしたり、病院を作り医学校を作ったりと台湾を近代化していきました。また、建築や農業制度も整え、古い習慣(辮髪、纏足、アヘン)を禁じました
ただし、日本人と台湾人には教育や給与水準などで待遇差別があって、そのことも動画で触れています。きちんと、良い面・悪い面を紹介しているのがこの動画のよいところだと思います。
ちなみに、後藤新平氏は、名探偵コナンの工藤新平氏に名前が似ているので、動画でコナンの曲を少し流したりしてコミカルな感じです。
第2話『どこだろう、台湾の内地は?』
日本の統治時代の50年、重要な法律、誰が、何をしたか、民衆の生活がどうかわったかを紹介しています。
最後に「あなたは何人ですか?」という問いかけで終わり、コメント欄には、台湾人、中国人いろいろなコメントがあり、どんな意見を持っているのかの参考になります。
印象的だったのが、日本っぽい名前の人(日本人にはあまりない名前の人)が「我是台灣人」とコメントしていて、それに対して別の人が「你是日貨吧?(あなた、日本人じゃないの?)」と言っていました。
第3話『社会運動の輝きー1920年代の台湾』
この動画では、社会運動の歴史をテンポよく紹介しています。
台湾人の台湾人による政治を行うため、台湾議会設置請願運動があったり、政治についていろいろ議論するようになったりしていきました。
中国の共産党もこのころ台湾に入ってきて、穏健派と強硬派に分かれたりといろいろあったことがわかります。
「un組bable」(設立できない)といった独自表現を見ると、中国語もたまに英語をミックスして使っているのがわかって面白いです。また、「蹦蹦蹦 bèng bèng bèng (ぽんぽんぽん)」という表現が何回か繰り返し出てくるので、中国語のオノマトペの勉強にもなります。オノマトペはなかなか出てこないので、動画内にちりばめられているのはありがたいです。
第5話『二・二八事件ー国民党政権時代』
日本が去って中国が来た時の感覚を現代風に例えて、「最新のMacを買ったと思ったらOSがWindows95だった」という表現が秀逸です。通常は、「犬(日本)が去って豚(中国)が来た」というような表現なのですが、現代っ子には、よりわかりやすいなと思いました。
動画ではざっくりと概要を学べますが、228事件については、228公園の中にある228博物館でも学べるので、台湾に旅行する方、台湾に住んでいる方はぜひ行ってみて下さい。
第6話『台湾が民主国家の道へ?』
台湾は一党のみの体制が長く続き、戒厳令がしかれ、政党を結成したり、集会やデモをすることなど禁止され、疑わしい人は密告するように奨励されていた時代(白色テロの時代)がありました。
1947年にすでに中華民国の憲法がありましたが、中国共産党との戦争を理由に別の法律が優先され、1949年の戦争終結後も継続していました。
1990年代になってやっと、戒厳令がなくなり、白色テロの根拠となった法律も廃止・改正されるなどして、今の台湾に至ります。
動画では紹介されていませんが、228事件から白色テロ時代をテーマにした映画もあります。台湾の人気観光地九分を舞台に撮影した映画「非情城市」もその時代背景をもとに撮影されています。時代背景を知っていると、内容が理解しやすくなってよいです。
まとめ
台湾バーは台湾の近代史を楽しみながらざっくり学ぶのにおすすめ。今回紹介したエピソード以外にも、1.5話などのサブエピソードや、7話以降のエピソードもあります。
あとは、Youtubeのコメント欄もチェックしてみると、台湾人と中国人の生の声や議論が垣間見れてよいです。