私はトーストマスターズクラブという、パブリックスピーキングを練習できる非営利組織に所属してスピーチの練習をしています。私が参加しているのは日本でも珍しい中国語のクラブですが、日本にあるクラブの多くは英語や日本語のクラブです。
トーストマスターズクラブはアメリカが発祥の地で、今は世界中にクラブがあります。
アメリカのトーストマスターズクラブに所属しているインド人のDeepak K Sharmaさんが、日本のトーストマスターズクラブに向けてストーリーを語ることの重要性を語るワークショップをしており、その動画が出ていたので、見てみました。
スピーチは仕事でもプライベートの場でもとても役に立ち、ストーリーを語ることについての理解が深まる動画だったので、おすすめです。
動画タイトル:【STORY TELLING Workshop】Deepak K Sharma, DTM(英語)
動画の印象的な内容メモ
そもそもストーリーを伝える理由は何か?
単に「自分の話を聞いてもらう」ということではなく、自分の話(ストーリー)を通じて、聞き手に何らかの変化を与えること、インパクトを与えること。
そしてそのインパクトは大きく、長く続くものであるほど良い。
ストーリーのネタをどうやって探すか?
自らの体験をストーリーにする(ドラマチックなものでなくても、日常の延長線でもOK)
ストーリーのネタをストックしておく
象徴的なものについては写真を撮って記録に残しておくとよい。
過去の自分、過去に出会った人から学んだこと関するもの
最初の体験、最後の体験、最高の体験、最低の体験など
ストーリーのネタの選び方の注意点!!
身近な人の死、つらかった思い出など、話すたびに泣いてしまう、感情的になってしまうネタであれば、自分がそれをストーリーとして話せるまで時間をおくか、客観的に話せるようになるまで練習する必要あり。
ストーリーの伝え方は?
ナレーションを入れない。
悪い例)彼は私に言いました「~~~」
良い例)「~~~」※立ち位置、話し方などで違いを出す
聞き手が慣れている表現に変える。
Deepakさんはインド出身なので、アメリカ人の聞き手に対して、「きちんと伝っているか」のフィードバックを求め、インド人は使うけれどアメリカ人は使わない表現等があれば、それを変える等している。
日本語でも、あまりにも専門用語や略語があると、慣れない聞き手は頭の中が「?」でいっぱいになりストーリーに集中できなくなるので、聞き手にとって違和感のない表現をしているかはよく確認する必要がある。
ストーリーの伝え方の流れについて
- Anchorアンカー(最初の30秒)
聞き手を引き付ける問いかけをする
2.Settings場面設定 状況を説明する。どんな場所に誰がいるか。
視覚、音、感覚、嗅覚に訴える状況設定をする。(VAKS:Visual, Auditory, Kinetics, Smell)
3.Characters登場人物
4.Dialogues会話 会話形式にする。
“〇〇が「~~」といいました。”とは言わない。
5.Tension 緊張、問題、難しい事態に直面した状況などを伝える。
6.Solution 解決策の提示
教師役を登場させる。自分が答えを言うのはNG
本、他の登場人物などから学んだことを伝える。
7.Transform 解決策を受けて、新しい自分になったことを伝える
8.Message メッセージを伝える
聞き手が共感するような内容を、“Phase”をうまく使う。最初と、中間、最後に同じフレーズを繰り返す。“Phase the phase”
このワークショップで教わった内容を実際に使ってみた効果について
このワークショップの内容を聞いた後に、トーストマスターズクラブのある方のスピーチのメンターをする機会がありました。
その方のスピーチは、ご自身の体験に基づいており、困難に直面したが、あることをきっかけに困難を乗り越え、新たな世界が広がったという話でした。
もともとの素材がとてもよいので、あとはどうやって伝えたらよりよくなるかをアドバイスしました。その結果、その方は見事、ベストスピーカーの賞を受賞できました。
※もちろん、その方の実体験、練習の努力、表現力の高さなどがあってのことでベストスピーカー賞受賞に至ったので、私はあくまでも、その手助けを少ししたのみです。ただし、誰かをサポートして何か、その方が何かを達成するのに役立つというのは嬉しかったのでシェアします。
メンターとしてアドバイスした内容
スピーチ全体を通して、自分の経験を話す場合はどこまで細かく話すか、聞き手に理解してもらうかの加減が難しくなるので、できるだけ抽象化して聞き手みんなが理解しやすいレベル感に変えるようにアドバイスしました。
- Anchor
最初の問いかけをよりシンプルにする。みんながすぐに共感&反応しやすいものに変更。
トーストマスターズのスピーチは時間が5-7分と短いため、最初の説明にあまり時間をさくと時間切れになってしまうため、この匙加減が大切です。
2.Settings&Dialogues
会話形式にする。 〇〇さんは「」と言いました。とは言わずに、会話で表現する。
自分とAさんが出てくるなら、自分は右側で話し、Aさんの時は左側で話す。
3.Tension & Solution&Transform
出来なかったものが、あるきっかけを通して、できるようになった。
つらかった経験が、ある気づきを通して、よい経験に変わった。
この対比がうまくでるように、お伝えしました。
4.Message
印象的なキーフレーズを冒頭、途中、最後で入れることで聞き手の印象に残りやすいスピーチに。さらに、そのキーフレーズはスピーチタイトルにも関連させました。
まとめ
ストーリーを語るというのは、とても使えるスキルだと思います。
動画を見て、実践の場で利用して、効果を得ると、また別の実践の場で利用して、どんどんスキルが磨かれていくのでよいなと思いました。
Deepakさんの話はとても役立つのですが、まだ200回再生くらいしかされておらずもったいないなと思っています。もしスピーチに興味がある、ストーリーを語れるようになりたいと思っている方がいましたら、ぜひ動画を見てみてください。
練習の場としては、失敗も許され、温かいフィードバックも得られるトーストマスターズクラブがおすすめです。
私が所属している中国語のトーストマスターズクラブについてはこちらに紹介記事をのせたのでぜひ見てみてください。