台湾の大学には中醫學社(中医学を学ぶサークル)があり、1学期に合計10回の活動があります。
私はこのサークルに入学当初から目をつけていたのですが、私の本来の授業が平日夜に開講されるため時間がバッティングしてしまうことと、サークルの活動言語が中国語なので、語学レベル的についていける自信がなくて、ずっと入りたいのに入れない状態が続いていました。卒業前の1学期だけ、時間的にも自由になり、また中国語レベルもUPしたので、中医学サークルに所属することができました。当時の活動内容を簡単に紹介します。
活動内容
中医学の基礎的な内容を実際に中醫の先生(中医学のお医者さん)を招いて学び、実践もする。
活動時間と頻度: 活動は週に1回平日の夜19時くらいから2時間ほど。
参加者:学部生大学院生どちらも参加可能でした。私が通っていたのは台湾の国立大学(医学部ではない)ので、サークルに入る学生も別に医学部というわけではないです。
使用言語:もちろん中国語。中医学の専門用語が多いので理解できたのは多分6割ぐらいでしたが、概要を知り、こんな風に学んでるんだというのが分かり良かったです。
部費:400NTで、活動に一定の割合で参加できた学生には、中医学の本がプレゼントされるので、実質無料に近い印象です。プロの先生に学び、座学だけでなく、中医学の実践もできたのですごくお得でした。
学んだこと
最初は座学中心で、中医学の考え方を学びました。台湾人学生には、生活の一部に中医学の考え方が浸透していて、実際に習慣としてしていることも多いので、基礎にさらに積み上げている感じの学び方をしているように感じました。また、「〇〇というやり方は中医学的にみて本当に効果があるのか?」といった質問も出たりして、ある程度ベースがあった上で学んでいる印象で、日本人よりも最初の知識量が違うなと思いました。町のいたるところに、歯医者と同じくらい中医学のクリニックがあるので、台湾人にとって中医学は身近なんだろうなと思います。
そして、実践編では、薬酒作り、 中医薬作り(やけどなどに使える塗り薬)、鍼、ツボ等、いろんなことを学びました。
ちなみに、中医の材料は、台湾では中医薬のお店に普通に売られているので、一般人でも簡単に手に入れることができます。
薬酒作り
私が行っていた大学では、大学の中での飲酒は禁止だったのですが、薬酒づくりは大学内で行ってよいようでした。
実際の工程はすごくシンプルで、瓶を消毒し、アルコール度数の高いお酒と漢方の材料(8種類くらい)を入れるだけ。あとは数か月待ち、色が変われば出来上がり。
中医薬作り(紫雲膏)
私たちが作ったのは「紫雲膏」という塗り薬で、やけどや痔に効くそうです。見た目は全く紫色ではなく、焦げ茶色の塗り薬で、塗ると茶色っぽい色が付きます。
作っているときは、理科の実験をしているような気分でした。
最初に麻油を火にかけ、漢方の材料(6種類くらい)を入れて混ぜる。漢方の成分がしみ込んできたら、材料を取り出し、蝋を入れる。蝋を入れた後は、さめないうちにに容器に移し替えます。さますときちんと軟膏状のテクスチャーに変わるので面白いです。
この薬を作ってから、一度もやけどしたことがなく、結局使えていないのですが、きっとおだやかな効き目なんだろうなと思います。
日本に帰国し、ドラックストアで塗り薬コーナーを見てみると、「紫雲膏」という塗り薬が市販されていました。成分は若干異なるとはいえ、市販薬と同じ名前の薬を作った経験をできたことがすごいなと思いました。
鍼
実際に中医師の指導のもと、本物の鍼を手のツボにトントンと刺す体験をしました。
※自分に鍼を打つのは自己責任ですが、人に鍼を打つのはプロの指導がないと、やってはだめなので、プロがいたからこそできた経験でした。
先生:「まずはお手本で私が鍼をするので、鍼されたい人。見本のあとは、実際にみなさんに鍼をしてもらいます。」
私「鍼されたいです!」
ということで、私が鍼される側の見本となり、手に鍼をされる様子をみんなが見るという図が出来上がりました。
鍼は初体験で、痛いかもしれないし、ちょっと怖いと思っていましたが、そんなことはなく大丈夫でした。
ここで鍼をプチ体験したことで、台湾の家のそばの中医診療所で、鍼治療をお願いすることもできるようになりました。台湾に住んで半年以上経ち「国民健保」があれば、100NTか120NT位で、診察と鍼治療が受けられるので、在住者の方は怖がらずにトライしてみてもよいと思います。私の場合は、肩こりが楽になりました。
まとめ
中医学に興味があり手軽に学んでみたいと考えている方がいたら、台湾の大学のサークルで学ぶという方法もあります。
台湾に語学留学を検討している方、台湾で語学留学中の方は、せっかくの機会なのでサークル活動の見学をしてみてはいかがでしょう?日本で学ぶとなると高くなってしまうので、台湾にいるうちに学んでおくのがよいと思います。
ちなみに、大学外でも、台北では市民向けの中医学の公開講座を定期的に行っています。こちらは社会人向けなので若干費用が高くなりますが、テーマに沿った講演をプロから聞けるのでよいと思います。(これももちろん中国語です)私は日程や時間等の関係で、台湾に住んでいる間に公開講座を受けたことはないのですが、面白そうなテーマが多かったので、今後台湾に行くときにタイミングが合えば、ぜひ受けたいなと思います。公開講座のテーマは、ダイエットと中医学とか、癌と中医学とか、とにかく興味深いものが多かったと思います。
わ~、うらやましい(^^)/
私もやりたい…。でも、中国語は分からない(>_<)
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私は、国際中医薬膳師と国際中医師の資格を持っている方がうらやましいです!
私もいつか、きちんと勉強したいなと思っています♪
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いや、みーやんさんなら簡単にとれますよ。
国際中医師や薬膳師持ってても、中国語できる人はほとんどいないですよ。
中国語は難しすぎるので、勉強する前から断念してます(@_@)
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